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持続可能な社会を目指して―しなやかに燃えるエコな人 石崎 雄一郎さん

 

環境問題に興味を持ったのは中学生の頃。社会人、大学院生、NGOの事務局長と、多彩なプロフィールの石崎雄一郎さん。ボルネオエコツアーへ行く前の石崎さんを訪ね、彼が勤める京のアジェンダ21フォーラム(京エコロジーセンター内)(※1)で話を伺った。


森がなくなる!?環境破壊の原因は意外な食べ物!


ポテトチップスやカップラーメンなどの食品が、環境問題とつながっていることを、どれだけの人がご存じだろうか。
「自然の宝庫といわれるボルネオですが、パームオイルが採れるアブラヤシの大規模プランテーションの建設により、森が失われています。動物は森を追われ、中には殺されることも。人々は自給自足の暮らしができなくなっています。
パームオイルは、ポテトチップスやマーガリンなどの食用として約85%、その他、洗剤や化粧品に使われています。目には見えないけれど、日常生活とボルネオ、環境問題はつながっているのです」



冬眠期間を経て゛やりたいことをやろう゛

京のアジェンダ21フォーラムでコーディネーターの仕事をこなしながら、『ウータン・森と生活を考える会』(※2)では事務局長、『ボルネオ保全トラスト・ジャパン』では理事と多忙な日々を過ごす。環境問題ひと筋かと思いきや、石崎さんから意外な言葉が…。
「大学ではフィリピンの貧しい人に家を建てるというボランティアサークルにいましたが、就活の際、そんな活動とは無縁の、真逆の所に就職する人もいて…。そのギャップについていけず、2年間、家にひきこもっていました」
大きな転機となったのは、生駒山のお寺での仏教の話。話し終わった後、気が楽になったという。
「人間って、こんなもんか。ある種、食べて寝てという生き物。今の活動は、その時の反動。やりたいことをやろう! と素直に思えました」


ボルネオでエコツアーを実施

ボルネオへは年に3回ほど、現地の人を支援するために行っている石崎さん。
「環境破壊により、オラン・ウータン(マレー語で森の人)が棲めなくなる現状を知ってもらうため、年に一度エコツアーを実施しています。苗を植えるなど体験形のツアーです。現地の人は苗を売ることで副収入が得られ、自然を破壊しない方法で生活が向上する。ツアー参加者は貴重な体験ができ、現地の人は自身の行動に自信が持てるようになるのです」


さらに深く、研究の日々

この春から一年間、アジェンダ21の研究のため、夜間、大学院に通う。2012年に、持続可能な開発・発展を考えようと国連主催の『地球サミット リオ+20』(※3)に参加し、もっと深く勉強したいと感じたからだ。
「ボルネオの問題はひとつの事例。海外でおこっている環境破壊を、みんな、あまりにも知らなすぎです。地球全体で、環境問題、持続可能な社会を考えていかないと。なかなか難しいんですが、日頃できる身近なことが大切なんです。
自分自身も持続可能な視点を持ち、今、京都でやっている活動をプラスして、海外でおこっていることと自分たちのつながりをわかる形で伝えていきたい」



※1 京のアジェンダ21フォーラム…持続可能な社会を実現していこうと京都市で取り組んでいる団体。〒612-0031 京都市伏見区深草池ノ内町13 京エコロジーセンター内 URL:http://ma21f.jp/

※2 『ウータン・森と生活を考える会』ではボランティア募集中。〒530-0015 大阪市北区中崎西1-16-36-38 issy@pure.ocn.ne.jp

※3 『地球サミット リオ+20』…2012年、ブラジルのリオ・デ・ジャネイロで20年ぶりに地球サミットが開かれ、国の代表やNGOなど世界から約4万人が参加した。元となった1992年の地球サミットで生まれた行動計画が『アジェンダ21』。

 

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