伏見のメガソーラーに、メガ...テン(・o・)!
3月1日、京都市伏見区の水垂埋立処分場大規模太陽光発電所を見学させていただきました。
いわゆるメガソーラーという大規模な太陽光パネルによる発電を行っている場所です。
この日はあいにくの雨で発電はされていなかったのですが、京都市環境政策局地球温暖化対策室の武村純一さんより貴重なお話を伺うことができました。
焼却灰の埋め立て処分地が発電所に
このメガソーラーのある土地は平成11年まで焼却処分後の灰を埋め立て場として利用されていました。その後平成24年2月より京都市がメガソーラーを設置してくれる企業を誘致し、平成24年7月より発電を開始しています。この発電が開始された日はちょうど、固定価格買取制度が始まったのと同時で、とても先進的な事例として多くの自治体から注目を集めたそうです。
また周辺に住む方々は「埋め立て場」という負のイメージがつきやすい場所に、メガソーラーという「エコ」の象徴ともいえる物が建つということで、比較的歓迎ムードでこの建設を迎え入れてくれたそうです。
発電のために草刈り!?
8.9haの土地に、一般家庭1000世帯分の消費電力量に相当する約420万kWh/年を発電する量のパネルが一面に広がっています。これらは直列でつながれているため、どれか一つにでも不具合が出てしまうと発電量に大きく影響してしまいます。そのため夏場は特に、草が伸びてその影により発電量が下がってしまわないように、草の手入れも必要になってくるそうです。
20年後のメガソーラーは?
メガソーラー事業は平成24年の事業開始から20年間続きます。20年後は契約のためこの土地からパネルは引き払われることとなっています。20年後この土地が新しく何に使われるか、決まっていないのが現状です。
ここにある大量の太陽光パネルも20年後、引き払われると同時に、どのように処分されるかも決まっていません。
土地の利用は今後考えていくとして、廃棄される太陽光パネルはどこに行ってしまうのでしょうか。
再生可能エネルギーをつくりだす技術
3.11以後急速に再生可能エネルギーへの注目が集まりました。また固定価格買取制度もそれを加速させました。需要に対して技術が追い付いていないことが、パネルの処理方法がまだ定まっていないというところに現れているのではないかと感じることとなりました。
しかしこれは再生可能エネルギーというものを考えるにあたって、非常に考えさせられるものであるとも感じました。再生可能エネルギーの「エネルギー」そのものは無限であることが多いです。しかしそのエネルギーを作り出すのに必要な「技術」は無限であるとは言えません。技術で作り出したものはいつか壊れるときが来ます。たびたびメンテナンスが必要になることもあれば、そのものが使えなくなってしまうときもいずれ訪れるのです。
求められる、技術の進歩
装置だけを作り、後のことを考えなければ先々で「再生可能エネルギー装置の廃棄物」が発生する可能性もあり、これでは本末転倒です。環境にやさしい、クリーンなエネルギーであるためには、技術を適正に処理するということが必要不可欠になるのではないかと考えるきっかけになりましたし、これが今後の課題にもなるのではないかと考えられました。
再生可能エネルギーの普及は、これから考えていく必要のある持続可能な社会にとって大変重要なものであると考えます。エネルギーを効率よく自然から取り出すということも大切な技術ですが、エネルギーを取り出すためのものを適切に処理する技術の進歩についても考えなければならないと感じました。
(記:横山愛華)
メガソーラー設置事業を担当されています
8680枚×2基で、合計発電容量は約4.2メガワットです。
発電はされていませんでしたが、これまでのCO2削減量が記録されていました。
パネルの表面には縦向きに溝があって、雨でホコリが流れるように工夫されています。小さな工夫が発電効率を高めるのです。