らくとぷれんの活動を通じて人と自然と向き合う
京都教育大学の社会領域専攻に在籍する学生を中心に「LactPren(らくとぷれん)」というグループがあり、2013年現在、大学1年生~大学院生までの18人がメンバーとして活動しています。
「らくとぷれん」としての活動は2011年からですが、活動のルーツは2008年に深草大岩山での不法投棄ごみの清掃活動に参加した頃に遡ります。
当時、社会科学科で教鞭をとる武田一郎教授に声をかけられた学生たちが、深草支所が市民と一緒に行っていたごみ清掃活動や荒廃竹林の手入れなどを手伝うようになりました。
やがて、地域住民とのつきあいが数か月、1年と続くにつれて学生が地域にできることを自分たちで提案し、行っていくようになり、グループの立ち上げに至ったのです。
2010年から深草地域だけでなく、縁あって、小野郷地域にある「NPO法人北山悠悠自然塾」との活動を始め、主に休耕田の整備と畑づくり、畑で採れた野菜を京都教育大学の学園祭「藤陵祭」で販売しています。
今回は、「らくとぷれん」リーダーの森川孝さんにお話を伺いました。
らくとぷれんに関わったきっかけは?
武田先生に「大根堀りに来い」と小野郷に連れられて、訳も分からずついていきました。
そうしたら、小野郷地域の人たちはもちろん、異なる学年の教育大生と言った、普段関わりのない人たちと知り合いになり、活動を通して仲良くなれることが楽しいなあと感じてメンバーになりました。
リーダーになって変わったことはありますか?
個々のプロジェクトではなく、グループ全体の動きが見えるよう、心がけるようになりました。
地域の人たちに協力してもらっている分だけ、小野郷のまちがよくなるように結果を出したいし、責任も感じます。
プロジェクトに関わる書類を自ら用意することも多いのですが、なるべくバランスよくメンバー間で担当できるようにしています。
次の代表が引き継ぎやすい雰囲気が作れたり、メンバー同士協力し合う土台があったりすれば、息長く活動が続くと思うからです。
子ども達との農業体験を通じて気づくことは?
環境教育を大学で学ぶとき、学内だけでは断片的にしか学べませんが、小野郷では通年で自然にも、人にも向き合えます。
ここに来ると、知識がすべてではないことや体験することの大切さを感じます。
どんな環境問題に関心がありますか?
間伐を手伝って以来、林業に関心を持ちました。
「木を伐ることで地球温暖化が進んでいく」と小学校で教えられてきましたが、実際は適度に木を伐らなければ山は荒れるということを知り、学校で学んだことと体験から得たものとの差異を感じました。
これに付け加えて我が国の林業従事者が減少する等多くの問題を抱えています。
このような問題について探求していくことで、国土の保全と私たちの生活の関係性にも気づいていくことができるのではないでしょうか。
「らくとぷれん」では今後も小野郷と深草で、子ども向けの農園体験教室を地元住民と一緒に企画していくそうです。
子どもだけでなく、大人も積極的に自然や農業に触れる暮らしが当たり前のようにある、そんな伏見のまちになることを願います。
※らくとぷれんの活動にエコレポ隊が体験参加してきました!記事はこちら!
(取材:2013年8月17日 kamemura)