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親子学習会⭐︎いきもの探偵団 「ツバメのはてな? 伏見のヨシ原について知ろう!」実施レポート

2020年8月9日(日)、伏見エコライフプロジェクトがさすてな京都、伏見楽舎、京都リビングエフエム845とともに企画した親子学習会に7組21名の家族が参加しました。


さすてな京都で行われた今回の親子学習会では、ツバメとヨシ原の生態をテーマに取り上げ、伏見の自然豊かさを理解し、身の回りの環境の大切さに気付くことをねらいとしています。

 

ツバメの生態について語る講師は伏見楽舎の若きホープ、綾本碧尉(あおい)さん。京都野鳥の会ジュニアに所属する現役大学生です。京都野鳥の会リーダーをされていたことがあるベテランの山副茂彦さんと共に、綾本さんは写真を使ってツバメのヒナが卵から孵って、成長するまでの過程を説明しました。

 

綾本さんが「ツバメを見たことはあるかな?」と子どもたちに問いかけると「うちに巣があるよ!」と元気な声が返ってきました。ツバメは平均5個の卵を産むことや飛んでいる虫しか食べないこと、ヒナが飛べるようになると、ツバメは巣で眠るのではなく、ヨシ原で夜を過ごすことなどの習性について教えていただきました。

 

「ツバメに種類はありますか?」と子どもから質問があり、山副さんが伏見ではツバメ、イワツバメ、コシアカツバメが見られること、北海道ではツバメがほとんど見られないことを伝えたほか、「写真では5個の卵があったけれどもヒナは2羽しかいなかった」とその変化に気づいた子どもには、「ツバメは1年で卵を10個ぐらい産みますが、卵が孵らなかったり、途中で死んでしまったりして、親になるまで育つのはだいたい2羽と言われています」とツバメにとって厳しい自然環境にも触れ、だからこそ「人がいるところは安全だということをツバメは知っているので、人が多く出入りする家の軒先に巣を作るんですよ」と言われました。

では、ツバメのねぐらとなっているヨシ原はどういうところなのでしょう?

 

12年にわたって毎年8月に「ツバメのねぐら観察会」を開いている伏見楽舎の福冨進さんからお話を聞き、津田昭二さんからヨシ原の場所を展望台で教えていただきました。

 

ヨシはイネ科の植物で、春に芽を出し、夏になると4~5mの長さに育ち、秋に花を咲かせ、冬に枯れ、次の春に新たに芽を出す…、というサイクルを繰り返します。また、茎につく微生物が汚れを分解するため水をきれいにするのだそうです。葦簀(ヨシズ)や屋根材としてよく利用されていた昔と違って、素材として使われる機会が減ってしまった今では、ヨシの手入れがなされず放っておかれがちになるため、ヨシの生育環境を守り、茅葺屋根などの日本の伝統文化を守るために自分たちでヨシ焼きをしているとお話がありました。

 

説明を聞いた後にヨシ原を見に展望台へ向かいました。さすてな京都の展望台は66メートルもあるんです!京都タワーに次ぐ高さを誇る展望台が伏見にあるんですね。「ヨシ原は思っていたよりもずっと広い」「田んぼや山の緑がとてもきれい」と言いながら、参加者は伏見の自然豊かな街並みを展望台から眺め、向島の宇治川河川敷には広大なヨシ原があり、関西有数のツバメのねぐらになっていることを実感しました。

 

90分があっという間に過ぎてしまった親子学習会。「家族でヨシ原を見に行きます!」という感想もいただき、伏見の身近な自然を理解する時間になりました。

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