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地域のエコ活動を「つなぐ」 山植 剛さん

最初に、山植さんご自身のエコライフについて教えてください

電気などのエネルギーを使わずに過ごす方が心地よいと感じています。小学生の頃、勉強机についていた電動の鉛筆削りをやめて手動のものを使ったり、電子オルガンからピアニカに替えて音楽に親しんだり、電気を使うゲームよりも近所の竹やぶに出かけて遊んでいました。

今は京都市内を徒歩や自転車で移動しています。自転車と違い、車は自分で漕がないから運転している実感がなくて苦手です。車が無くても「歩くまち京都」と言われるように、洛西や北山、山科まで自転車で1時間も漕げば行けます。山のアップダウンを走りながら、桜や紅葉など季節の移り変わりを感じたり、店や路地などで新しい発見に出会ったりすることができます。

 

電気を使わないといえば、山植さんはウクレレが得意と伺ったのですが

もともと音楽が好きで、20年ほど前にウクレレを買って弾いています。ギターより軽くて、電気も使わないためどこでも弾けるところが気に入っています。ウクレレは誰でも弾きやすく、海や空、島というハワイの情景がイメージとして湧いてくるんですよ。

一度買ったら修理して一生使うこともできます。自分の子どもたちにもこのウクレレが使われるなどモノが次の世代につながれば嬉しいです。ウクレレを弾いていると自然と人が集まり、人とのつながりが増えることもあります。

 

そんなエコライフを実践される山植さんのお仕事について教えてください

平成28年4月からエコ学区サポートセンターに勤めています。京都市内の全222学区が「エコ学区」の対象で、私はエコ学区での活動支援をしています。大きくは①学習会、②エコ診断、③ブースの出店による啓発活動に取り組んでいます。

エコ学区の方たちと出会う時は、まず日頃の学区での取り組みや環境について聞き、その取り組みに合わせて、物品や資金、人、アイデア、情報など、どんなサポートができるかを考えます。例えば、「つながりがない」と聞けば、ブースを出して自転車発電をすることで子どもたちが集まり、地域がつながるような仕組み作りをしたことがあります。

“福祉とエコ”“防災とエコ”のように、地域の問題解決をするための手段としてエコ活動をすることと、エネルギーがほぼない状態でも生活できる知恵を知っておくことが大切だと思います。

 

学区によって取り組みは様々なんですね

醍醐地区では、ある自治会館の断熱化を進めました。以前は窓が大きく、冷え込みの厳しかった会館に、ホームセンターにある断熱シートを貼って空気の層を作ることで、一度暖めると暖かさが逃げず、寒さを軽減できました。さらにそこに人が集まれば、暖かさがより保てます。快適に過ごすためには「我慢」する必要はなく、「効率よく」工夫できることがあります。

他にも、生ゴミ堆肥を通じて複数の学区が連携したり、久我・久我の杜・羽束師地域では3学区協働で健康福祉フェスティバルを開催しました。屋外イベントは、地域の人たちが同じ場所に集まって過ごすことで、各家庭からの二酸化炭素の排出量を微力ながら削減できます。外出し、屋外で太陽の恵みを感じることもエコにつながるので、そうした意味では「家にいない」こともエコかもしれませんね。

 

ずばり、エコ学区サポーターのやりがいについて教えてください

色んな地域で色んな人たちとコミュニケーションをとるのが楽しいです。エコ学区全てを回りつくせないもどかしさもありますが、だからこそ、各学区での工夫を教えてもらい、それを他学区と共有することで新しいつながりを作り、広げていきたいです。

 

山植さんのご自宅でもエコで快適に過ごされる工夫をしていますか?

風通りの良い家なので、夏は窓を開けてエアコンをほぼ使いません。飼っている猫はいつも快適な場所にいるので、まるでその場所を教えてくれているようです。暑すぎる夏は、北山あたりの親戚の家で過ごすようにしていて、夕方には涼しさを求めて鴨川や高瀬川を散策しています。

 

2019年の抱負や意気込みを教えてください

「つなぐ」年にしたいです。特に、大学生や若い人に地域の活動を知ってもらいたいです。一番身近な社会が「地域」だと思っていて、以前から青少年活動センターや各地のイベントなど、色々な大学生の集まりに入ることをライフワークにしています。自分から話しかけたところから出会いが生まれ、自分の経験談と学生から得た新しい発見とを交流させることで、視野の広がりや予想外のいい出来事にもつながります。京エコロジーセンターも、人が交流する場にしていきたいです。

 

最後に、地域と環境とがWIN-WINになるコツを教えてください!

暮らしをよくする学びを共有していくことでしょうか。学習会開催時は、話を聞きっぱなしではなく、地域の人たち同士で話を重ねる方が良いかもしれません。1人対多数に留まらず、共有の空間へ広げることが必要だと感じています。

 

取材後記

「我慢」から「効率よく」へ、「1人対多数」から「共有の空間」へ。山植さんの言葉には、エコと地域とを両立しながら向上させるエッセンスがつまっていました。伏見エコライフプロジェクトも、多種多様な地域と人とを「つなぐ」場でありたいと願っております。(エコれぽ隊 弘田真基)

山植剛

エコ学区サポートセンター

住所:京都市伏見区深草池ノ内町13

電話:641-3686

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