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省エネ意識を市民に伝え、自らの暮らしに取り入れる 住岡町子さん

藤森駅から徒歩5分にある京エコロジーセンターは、環境学習や環境保全活動の輪を広げるため、エコな暮らしを実践し伝える環境拠点である。館内にはエコについて学ぶ展示物や体験コーナーがあり、それらの案内をする環境ボランティアが約200名活動している。

環境ボランティアは「エコメイト」として館内案内を中心に活動し、3年経験すると「京エコサポーター」となり、館内案内だけでなくセンター外でエコな活動を行う役割も与えられる。

私たちは「京エコサポーター」として活躍されている住岡町子さんに、活動内容や環境に対する思いについてお話を伺った。

 

1.エコメイトになったきっかけ

住岡さんはエコメイトとして3年間、その後2年間京エコサポーターとして活動している。以前は、環境計量士として25年間働いていた。環境計量士は国家資格であり、水と大気が環境基準を達成しているかどうかを調査し、有害物質や悪臭物質などの発生を抑制する仕事である。こうした環境の業務に関わっていたため退職後も環境に関わりたいと思い、エコメイトに応募したそうだ。はじめは軽い気持ちでエコメイトになったが、活動してみると地球温暖化など自分の知らない分野を学べるいい機会になった。

 

2.省エネ相談

住岡さんは京エコサポーターとして「省エネ普及ネット京都」という省エネに関する研究会の中で、家ごみ相談や省エネ相談にのっている。省エネ相談とは、参加者に省エネについてのアンケートを行い、その結果を基にそれぞれの改善点をアドバイスするものであり、こうしたアドバイスにより省エネ普及を進めている。

住岡さんは「お年寄りの省エネに対する意識は高いけど、若者の省エネに対する意識が低いなぁ。でも、よくエコロジーセンターに遊びに来る地域の小学生は省エネに対する意識が高いよ。歳を重ねるにつれて忘れていくのかなぁ」と語っていた。

住岡さんは省エネ相談を通して、若者の意識の低さに驚き、若者がもっと省エネに対して関心を持ってほしいと思っている。例えば、センターに来る子どもたちの親の世代は、省エネをしたいと思っていても実際の電気料金や水道料金をあまり把握できていないことがある。省エネを始めるためにはまず、こうした家庭の光熱費を全国平均と比べ、省エネレベルを知ることから始めてもらいたいという。

 

3.楽しみながらエコを実践

住岡さんは、京エコサポータ―の活動を通して様々な人に出会い、得られた知識を基に、自分自身でもエコを実践している。例えば遮光カーテンをかけたり、ベランダでも利用できる小型の太陽光パネルを設置したり、LED照明を使うなどである。手軽にできるエコ活動を楽しみながら実践している。

 

4.取材後記

このインタビューを通して、住岡さんが京エコサポータ―として常に新しい知識を吸収し、小さなエコを楽しみながらコツコツと続けている様子に、自分たちではとてもまねできないと感じた。

また住岡さんは、若者のエコに対する意識が低いとも述べていた。確かに、自分たちは家の電気代さえ知らず、エコは我慢や負担を伴うものと感じている。しかし私たちは今、大学で再生可能エネルギーなどの様々な環境政策を学び、環境をより良くしていきたいという気持ちがある。その知識や思いを無駄にせず、住岡さんのように日々の生活にも取り入れていきたいと思う。

 

(取材:2018年10月5日、龍谷大学政策学部2回生(清水ゼミ)加藤、滋賀、藤井、山田)

 

京エコロジーセンター

1997年に地球温暖化防止京都会議(COP3)が開催されたことを記念して、2002年に設立された。ごみ問題や温暖化防止などについて学べる展示コーナーや図書コーナー、屋上ビオトープなどがあり、エコメイトやエコサポータ―というボランティアが見学者の案内を行っている。

 

住所:京都市伏見区深草池ノ内町13

TEL:075-641-0911

 

開館時間:9:00~21:00(1・2階の展示は17時まで)

休館日:木曜日(祝日の場合は翌平日)、年末年始

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