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伏見から発信!サイクルシェア〜ちょいノリ京都プロジェクト・植野彰さん〜

「サイクルシェア」という言葉を聞いたり、実際に利用してみたりしたことはあるだろうか。「レンタサイクル」の方が耳なじみが良いかもしれない。

 

一般的に「レンタサイクル」は自転車を時間単位や一日単位で自転車を借り、借りた場所へ自転車を返すのに対して、「サイクルシェア」は「ポート」と呼ばれるいくつかの自転車置き場に置かれた自転車をいつでもどこでも借りて返す。つまり、借りた場所へわざわざ返しに行く必要がなく、ポートが増えれば増えるほど自転車で街中を気軽に移動できるシステムを意味する。

 

サイクルシェアを伏見で始めようと活動する「ちょいノリ京都」の話を聞くために向かった先は、丹波橋駅付近から歩いて10分ほど、または京都市バスのバス停「住吉」から一本奥に入った静かな道路に面したところにある「植野伝次郎商店」。聞けば、「ちょいノリ京都」代表の植野彰さんは江戸時代から続く創業200年の荒布(あらめ)屋「植野伝次郎商店」の店主でもあった。木の温もりを感じさせるどっしりとした佇まいの店で、地元伏見での活動についてお話を伺った。

 

「ちょいノリ京都」とは

盆地にある京都市内では自転車での移動がしやすく、日常の買い物での移動や通学、通勤で自転車を利用する姿を目にする。観光客がレンタサイクルで自転車に乗る姿も近年見かけるようになった。

 

自転車での移動がしやすい一方で、街中では駐輪場が不足している状況が見られるほか、毎年5万件以上の放置自転車が京都市内で撤去されるなど自転車に関する交通問題も抱えている。「もしも『サイクルシェア』が京都市内各地で広がればそのような問題解決につながるのではないか」との思いがきっかけとなって2015年に「ちょいノリ京都」プロジェクトが立ち上げられた。

 

たまたま伏見在住のメンバーが複数いたため、まずは伏見でのサイクルシェアの導入を考えてみることになり、2016年から伏見区役所で毎月行われている「伏見をさかなにざっくばらん」の場を定例会の場として活動している。 

 

「ちょいノリ京都」プロジェクトの活動では、定例会への参加の他、これまでに伏見いきいき活動市民センターで「ちょいノリ自転車ミーティング」を開いて他都市の事例を調べ、社会実験の準備を進めてきた。

 

サイクルシェアは近年、国内各地や海外で注目されてきているそうで、ミーティングでは岡山県岡山市の「ももちゃり」や、大阪府堺市「さかいコミュニティサイクル」や台湾の事例を学んだ。台湾ではこれまで市民はバイクを主な交通手段として使っていたが、最近では環境に優しい交通手段としてサイクルシェアが普及しはじめ、サイクルシェアの使用率は現在世界ナンバー1なのだそうだ。

 

また、12月に「京都環境フェスティバル2016」に出展し、「ちょいノリ自転車」プロジェクトでの活動を発信した。車ではなく自転車を利用すれば、二酸化炭素を始めとする温室効果ガス排出量の削減につながる。また「ちょいノリ京都」では、大学を卒業して京都を離れる学生から譲られた自転車などを再利用することも考えている。再利用された自転車で市内を縦に横にと移動することは、便利なだけでなく環境負荷をかけない暮らしにもつながるのだ。

 

サイクルシェアに期待すること

サイクルシェアがあれば、住民の生活や地域がどう変わるのか。植野さんは「東西の横の交通が不便な伏見区で、普段ちょっと遠いと感じる場所や、バスや車で通り過ぎてしまう場所、大通りから一本奥に入った京都らしい場所にも行きやすくなるでしょう」と話す。

 

また、「井戸端会議のあった昔、周辺住民が共同利用していた井戸を中心に地域間のコミュニケーションの場が形成されていました。次はみんなで自転車を共有することによって、自転車置き場で新たなコミュニケーションの場ができればいいですね。サイクルシェアを利用している観光客と、地元の住民とコミュニケーションをとる機会が生まれたり、地元ならではの美味しい店を知ることができ、普段知られていない店にも活気が生まれるんじゃないかと期待しています。」とサイクルシェアから生まれる地域の繋がりついて語った。

 

“ちょいノリ京都”メンバー募集中!

「ちょいノリ京都」では、2017年に伏見での社会実験を行い、2018年度4月からの本格導入を目指したいと考えている。サイクルシェアを通して便利で、環境に優しく、さらには地域のコミュニケーションがはかどる伏見にしようと活動している。伏見からサイクルシェアを発信し、京都市内へ普及していきたいそうだ。

 

「サイクルシェアについてもっと聞きたい!」「なんだか面白そう!」「伏見区から新しい取り組みを発信させたい!」と思う方はぜひ下記まで連絡を。みなさんの「自転車でこんなふうになったら素敵だな」という思いを、植野さんたちと一緒に「ちょいノリ京都」でかなえてみませんか?

 

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『ちょいノリ京都』 Facebook公式ページ

『植野伝次郎商店』

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