未来の地球、未来の子どもたちのために—COOL CHOICE(クールチョイス)に取り組むFM845
地域密着形で、“寄り添いラジオ”“おひとりにさせない”を謳っている、わが街伏見のご存じFM845。さわやかで温かみのあるトークで人気の葛山知佳子さんに、局をあげて取り組んでいるクールチョイスについて話を伺った。
賢くておトク。快適な暮らしを選ぶということ。
「おかげさまで、2017年度・2018年度と、企業100社、個人1000人以上と、2年連続でクールチョイスの賛同票を得られたんです」(注)と、満面笑顔の葛山さん。
そもそも、クールチョイスって!? クールチョイスとは、賢い選択という意味で、クール=“涼しい”という意味ではないので念のため。地球温暖化を防止するために、家庭部門から約4割、二酸化炭素の排出を抑えることを目標に掲げ、そのために、あらゆる選択・アクションをしていこうというもの。
では、具体的にどんな取り組みがクールチョイスなのか。
エアコンの温度を必要以上に、低くまたは高く設定しない、クールまたはウォームシェア、電球をLEDに変える、家電製品を省エネタイプに買い替える、宅急便を一度で受けとる、残さず食べる、地産地消、過剰包装をやめる。そして、残業を減らすことも!だそう。
「まずは、知ってもらうことから。そして、できることをやってもらう。無理せず、楽しく。我慢じゃないんです。賢くておトク。快適な暮らしを選ぶということなんです」と、葛山さんは熱く語る。
「ママ、クールチョイスじゃないよ!」
FM845では、クールチョイスに関する30分番組を91本つくり、毎日、オンエアしていた。京都市地球温暖化対策室、歩くまち京都推進室、京都府地球温暖化防止活動推進センターと連携し、それぞれのスペシャリストがわかりやすく説明するコーナーもあり、記憶に新しい人も多いことだろう。
では、葛山さんのお宅では、どんな取り組みをされているのか、気になるところ。
「キッチンでは、鍋底よりガスコンロの火を大きくしない、蓋をして調理する、電気ケトルを使うなど。キッチンと子ども部屋では、節電タップを使っています。あと、浴室では、節水シャワーヘッドを使っていて、気持ちもいいので気にいっていますね」
いろんな取り組みが功を奏し、家庭での電気の使用量が減ったそう。微々たるものだと謙虚な葛山さんだが、日々の積み重ねは大事だと、手応えも感じている。
何よりうれしいのが、お子さんたちが楽しんでクールチョイスに取り組んでいること。葛山さんが電気をつけっ放しにしていると、「ママ、クールチョイスじゃないよ」との声かけが! ニュースを見ていても、「ママ、これって、クールチョイスのこと!?」との質問もあるそう。習慣づいているところ、家庭で話題になっているところが、さすがというか、私たちもお手本にしなくてはと強く感じさせられる。
「できることがいっぱいあることを、子どもに知ってもらうことが大切。子どもには、夏休みの宿題にこれ(クールチョイス)をやるとか言ってくれたらうれしいのですが、望みすぎかな?」と、葛山さんは優しく微笑む。後日、『夏休み省エネチャレンジ』に家族で取り組んだとの報告をいただき、素晴らしいファミリーだと感嘆する一方、葛山さんの強い意志も感じた。
次世代のエネルギー“水素”に注目!
クールチョイスの取り組みを通して、いろんな出会いや貴重な体験をした葛山さん。そのひとつが、リスナーさんと乗車した水素自動車だ。
水素自動車は、京都市が自動車メーカーのホンダと連携していて、申し込みの上、体験することができる。
「水素自動車は、二酸化炭素、出ないですしね。水しか出ない。水がポタポタと、道路に落ちるぐらいです。東京オリンピックの時は水素の見本市になるのでは。選手の移動に水素バスを使うとか、また、福島県で水素タウンをつくるとか、水素エネルギーで街の電力を補うなど。次世代のエネルギー、環境に不可のかからないエネルギーとして、水素をはじめ、風力、太陽光などの再生可能エネルギーに注目ですね」
エコライフイズマイライフ
取材当日(3月11日)は、まもなく環境省の説明会ということで、広辞苑!?ほどの厚さの前年度の企画書を見せてもらった。企画から交渉、クールチョイス事業のすべてに関わっている葛山さんは、いわば、プロデューサー的な役割。ふたりのお子さんのママでもあり、公私ともに大変多忙なはずだが、
「楽しいんです! 生活に直結することなので、へぇ〜と思うことがいっぱいあった。『環境白書』を読み、切実だなと思ったこともありますけど…」
「何をするにも点より蓄積、そしてつながっていけたら。未来のために、今、選ぶ。“エコライフイズマイライフ”。要は、自分のことなんです」
と、葛山さん。かっこよすぎません!?
取材を終えてー
1月に開かれたエコライフ交流会にも、時間の合間を縫って参加してくれた葛山さん。『エコな人図鑑』のラジオ版をぜひやってみたいと、うれしいご提案もいただきました。“セブンス・ゼネレーション”という言葉をご存じでしょうか。7代先の子孫のことを考えて、今できる最善の決断をするという、アメリカ先住民の考え方です。難しく考えないで、クールチョイスを、いい癖、いい習慣にできればしめたもの。未来の子どもたち、未来の地球のために、今できることから、コツコツと。さぁ、みんなで一緒に、楽しみながらクールチョイス!
FM845 クールチョイスNOW
今年の夏は、『緑のカーテンプロジェクト』を実施。6月頃、リスナーさんに、つる性植物のゴーヤ・朝顔の苗を合計100ポットプレゼント。各家庭で、真夏のギラギラ、直射日光をさえぎるグリーンカーテンを育ててもらった。7月頃より、「花が咲いたよ」「ゴーヤが実ったよ」と、リスナーさんからファックスが続々と届き、番組で紹介。みんなで一緒に楽しく取り組むことができたと、うれしい一報をいただいた。(2019年9月1日現在)
注
クールチョイスは、地球温暖化対策として環境省が取り組んでいる。生活に身近な地域のFMラジオを媒体とし、国民運動として、より浸透させようと試みている。FM845では、2019年度も局のステーションテーマとして、できる限り取り組んでいくと前向きな姿勢だ。
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