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先祖代々にわたる農業を継ぐ

 

のどかな田園風景が残る伏見区久我。

久我地域では「地元の人たちに、地元で採れた新鮮な野菜を食べてもらいたい」との想いで、「久我・羽束師地域まちづくり協議会」のメンバーが毎月第3土曜日に「ふれあい朝市」を開いています。

久我地域で代々農家をされ、「ふれあい朝市」へ出店している久道智之さんにお話を伺いました。

 

久道さんは2児の父。「休みの日は子どもに遊ばれています」と照れながら話す久道さんが娘さんに向けるまなざしはとても優しく、温かい人柄が感じられます。家族そろって野菜やお米を販売している仲良し親子の久道さんの姿を「ふれあい朝市」で見かれば、野菜が大切に育てられている様子が伝わってくるのもうなずけます。

 

 

エコな人プロフィール

久道智之(くどう さとし)

1972年3月12日生まれ 

京都市伏見区久我生まれ、久我育ち

専業農家

9歳と4歳の子どもを持つお父さん

地元小学校のPTA会長も務めている。

 

 

農業はいつごろから?

家としては、久我で先祖代々農業を営んできました。僕は3年前の2011年からです。15年ほど会社員として勤めた後で、父の農業を継ぎました。

 

 

どのような作物を育てていますか?

冬は畑菜、うまい菜やネギ。春はキャベツ。夏は茄子、きゅうりやトマトで秋は頭いもを収穫します。秋には稲刈りもありますね。野菜に関しては、春に植えて夏にかけて収穫し、また秋に植えて冬に収穫するというリズムで一年を過ごしています。

 

 

農家としての久道さんの一日は?

午前中に畑仕事をします。田畑で栽培したり、出荷準備のために家で野菜を洗い、束にして、箱詰めをしたりします。お昼休みの後、午後は市場へ野菜を届けに行って帰ってくると一日の仕事が終わります。

 

 

毎日野菜を出荷するのですか?

量の多少はありますが、季節ごとに一種類の野菜を育てている訳ではなく、5か所の畑で何種類かに野菜を分けて育てているので、何かしら市場へ出荷する野菜があります。

 

 

6,000キロのお米を育てるのは大変ですか?

子どもの頃は家族総出で田植えや稲刈りをしていましたが、今は機械が良くなったおかげで、人手が要らず、父と二人でも大丈夫ですよ。

 

 

帰農して変わったことは?

朝7時半から夕方5時頃までと、働く時間は以前と変わりありませんが、毎日の暮らしの中で子どもたちと過ごす時間が圧倒的に増えました。子どもを保育園へ送りに行く途中で畑に寄ったりする時間を持てるなんて、以前は考えられませんでした。

 

 

農業に携わって感じることは?

子どもの頃から田植えと稲刈りの手伝いはしていたものの、会社員時代は畑を手伝うことは滅多にありませんでした。

天候に左右されたり、種を蒔いても必ずしも芽が出るとは限らないところが自然だなぁ、難しいなぁ、と感じます。

 

 

今後の目標は?

今は、野菜をいかにうまく作るかを大切にしながら、あれこれ取り組む日々です。

父に「今日はこれやっといてー」と任されることも多くなりましたが、自分で何でもできるように、作物の育て方をもっとたくさん覚えたいです。

また、野菜を育て、米を育てる日常がうちにずっとありました。先祖代々の土地ですから、その土地を守っていこうと思います。

 

 

伏見の「環境」と聞いて浮かぶことは?

子どもの頃は今よりもっと田んぼがあったので、その頃と比べると家も増えて風景が変わったなぁと思います。小学生のころは桂川や用水路で魚やザリガニを網で取ったり、空き地もたくさんあったのでサッカーなどボール遊びをよくしていました。そのうちファミコンが流行りだしたから、家で遊ぶことも多くなりましたが。でも、まちのあちこちに外で遊ぶ場所があるのは子どもにとって幸せなことではないかと思います。

 

 

日常の暮らしの中で行っているエコなことは?

あまり大したことはしていませんが、冷暖房に頼らず過ごしています。夏でも外で働いているので、身体が暑さに慣れたのか、冷房をつけずに過ごしても苦ではありません。

 

 

久我のよいところは?

近所の人が優しいですね。昔から住んでいる人たちも多いので、近所づきあいがしっかりしていて親しみやすいです。毎年5月に菱妻神社でお祭りがあります。祭り前の1週間、御輿が祀られる「御旅所」を通ると誰となく集まっていて、お酒を酌み交わしておしゃべりが始まったりします。

大晦日には、誕生寺で鐘をつき、その足で菱妻神社に初詣に行きます。日本らしい新年が迎えられる場所が久我にあり、誇りに思います。

 

 

取材を終えて

取材の間、お父さんのそばにずっといた娘さんに「好きな野菜は?」と尋ねると「レタス!」と元気な返事が。「思いつきで野菜の名前を言ったかな?」と苦笑いする久道さんでしたが、お子さんたちは野菜の好き嫌いはないのだそう。新鮮で、採れたての野菜のおいしさを毎日味わえるなんて幸せだなぁと思いました。

また、種まきから出荷にいたるまで、細かい仕事がたくさんあることに気づきました。農家さんに感謝し、伏見の野菜をたくさん食べて、季節を味わおうと思います。(亀村)

 

平成26年2月1日、久我地域で農業をされている久道さんのお話を聞かせていただき、農作業の大変さとありがたさを感じました。天候に左右される田んぼや畑のお仕事は、思い通りにいかないことも多くご苦労もあるとのこと。しかし、種から無事芽が出て、水やりや草とり作業を経てやっと収穫できたときの喜びはひとしおだそうです。

久道さんのように心を込めて作ってくださる方々のおかげで、私たちはおいしく安全なお米や野菜を食べられます。今一度、感謝しなくては!!と強く感じました。(池尻) 

 

平成26年2月

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