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地産地消でエコな暮らしを〜シンプルイズザベスト〜種智院大学食堂「遊食邸」

近鉄向島駅を下車すると、そこには金色の田園風景が広がっていました。大粒の稲穂に囲まれながら5分歩くとたどり着く。種智院大学の食堂「遊食邸」にて店長の中村賢慈さんに「エコ」な取り組みについてお話を伺いました。

 

中村さんと「食」

中村さんはこの仕事を始めて12年になります。仕事は食堂で調理をし、食事を提供しているだけではありません。食材の仕入れや毎日の献立づくりもしています。

中村さんが今の職を選んだ理由は、私たちが生きていく上で「衣食住は絶対にはずせない」ものであり、その3つの中から「自分は食べるほうかなぁ」と思い、「食」の道に進んだそうです。

健康に気を配って化学調味料を使わないことや次の章で取り上げる取り組みに触れることで「エコ」について考え方が変化したり、より関心を持つようになったそうです。

 

地元のお米と野菜をたくさん食べてもらいたい

食堂ではなるべく多くの野菜を使っています。伏見エコライフプロジェクトで2016年に取材した中嶋農園をはじめ向島の巨椋池干拓地で栽培している農園からお米や野菜が食堂に届きます。時に形や大きさが規格外のために市場に出せない野菜があれば中村さんにとっては新鮮な野菜を安く仕入れられ、近くの農家さんにとっては規格外の野菜を無駄にしなくて済みWin-Winなのだそうです。その日のうちに精米して炊いたご飯と、獲れたての新鮮野菜。「地元でとれた野菜が使われた料理を学生に食べもらって元気に過ごしてもらいたい」と中村さんは語ります。

 

生ごみを肥料に! ~食堂と農家のつながる循環型農業~

食堂で出てきた野菜クズなどの生ごみは「エココンポ」と言われる食堂の裏側にある機械で“EM”による発酵を行い肥料にしています。“EM”とはEffective Microorganismsの略で、「簡単に言えば土の中に存在する有用ないい菌だ」と中村さんに教えてもらいました。その肥料を農家さんが利用することで野菜が大きく、栄養を含むようになります。そこで栽培された新鮮な野菜を食堂で仕入れて料理に加工して、提供食堂で出た生ゴミをまたEMで発酵して畑にまいて美味しい野菜が作られるという循環がなされています。「近くの農家さんとタッグを組み、完全なリサイクルができている」と中村さんは話します。

この循環によって作られた野菜は、「しっかりして風味があり、栄養が豊富で体に良く、また近いため新鮮で美味しいものになっている」と農家さんが話していたそうです。

近くの向島地域の農家さんと協同し、地産地消が行われていることが食堂の美味しい料理につながっています。

 

シンプルが1番

「結局ね、シンプルが一番ベストだと思うんですよ。」

自然でいい食材を使って、シンプルな味付けをするのが最も良いと考えるほか、「要らないものには手を出さず、浪費を控えることがエコにつながる。廃棄して燃やすのも火力が必要で、自分もお金がなくなる。何でもシンプルが良い。」と日常においてもシンプルライフを心がけています。

 

地産地消で町おこしに

地元の野菜を積極的に使って調理し、生ごみ堆肥化に取り組む中村さんですが、これらの取り組みはまだまだ途中段階で、中村さんは「これから更に地産地消の取り組みを広め、地元を有名にすることで、まちの活性化にも繋げたい」熱く語ります。

 

取材後記

今回の取材の中で、「食器の返却時に何も残っていないことが嬉しい」と聞き、作り手側の気持ちを知ることができました。作り手のことを意識し、感謝しながら食べることで食品ロスも自然と無くなるのではないでしょうか。また、地産地消を広めるために私たちができることは、買い物の時に地元の物を選び、応援することだと思いました。

実際に食堂で日替和風定食とサラダを食べさせていただきましたが、多くの野菜が使われておりとても美味しかったです。

お問い合わせ

遊食邸 種智院大学店 

〒612-8156 

京都市伏見区向島西定請70 種智院大学一階食堂

 

TEL: 075-621-2555

FAX: 075-621-2700

Mail: info@yushokutei.jp

URL: http://yushokutei.jp

 

(取材:龍谷大学政策学部 神野有紀、北村龍平、高木夕菜、釣島佑太)

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