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美味しさから「メイドイン伏見」の輪を広げる〜田中孝征さん

京都市青少年科学センター・京エコロジーセンターより北に歩いて徒歩5分のところにある「喫茶うずら」の店主、田中孝征(たかゆき)さんにお話を伺いました。

 

田中さんのカレーは、美味しい自己表現

「オーガニックコーヒーとハンドメイドのカレー」をうたう「喫茶うずら」。

カレーの味を決めるルーは、田中さんが試行錯誤した末にたどり着いた、伏見に本社のある香辛料会社「甘利香辛食品株式会社」のC&Aのカレー粉、カレー粉を最初に作った「C&B」のカレー粉、そして「スパイスの達人」井上和人氏が会長の「井上スパイス工業株式会社」のカレー粉が使われています。それぞれのカレー粉をブレンドし、田中さんはじっくり丁寧にカレーソースを手づくりしています。

カレーは鶏肉を使ったカレーを基本とし、その他に京都府美山産の鹿肉を使ったカレーや季節に応じて伏見で採れた野菜を加えたカレーがあります。この旬の野菜カレーは「深草産タケノコキーマカレー」や「深草大辛唐辛子のチキンカレー」、「伏見産トマトのチキン煮込みカレー」などバリエーション豊かで、ここでしか食べられない「喫茶うずら」ならではのカレーができます。

カレーを始め、田中さんが料理に使う材料を選ぶときは、その作り手の姿勢に共感したところから仕入れようと努めています。例えば、鹿肉は「田歌舎(たうたしゃ)」から仕入れています。田歌舎は美山にある団体で自然体験やレストラン運営などを通して、自然の中で自然との共生を発信しています。

 

また、ご飯は深草に店を構えていた米屋さんに相談し、カレーに合うように少し硬めに仕上がる福岡県糸島産のお米を使っています。

 

旬の野菜カレーに使われる野菜は、農薬や化学肥料を使わないで栽培されている久我の壇弥(だんや)と地元深草の「市民農園風緑」から仕入れ、手に入らなかった野菜があれば竹田にある「じねんと市場」で仕入れます。田中さんは「割高なこともあるけれど、できるだけ地元の野菜を使います」と自分のできる範囲で環境により良いと思える選択をしています。

 

ちなみに、これらの野菜は毎週水曜日に店頭で買うことができます。エコれぽ隊の私も蕪と人参、レモンを買って早速自宅でいただきました。蕪は我が家の定番のクリームシチューに、元気な蕪の葉っぱは、人参と一緒に蒸し野菜にしてレモンをたっぷりかけていただきました。みんな美味しかったですが、特に蕪の葉っぱは香りと蕪独特の風味が豊でとっても美味しかったです。

カレーのお供の飲み物に、コーヒーとレモンスカッシュをいただきました。市民農園風緑のレモンを使ったレモンスカッシュは、レモン好きにはたまらない自然なレモンの風味が感じられ、食後にいただくとスッキリ、最高でした。風緑のレモンの収穫は秋。この時期にレモンスカッシュがメニューにあればラッキー。イチオシの一品です。

 

コーヒーの豆は無農薬無化学肥料で栽培され、かつフェアトレードで取引、輸入している「グリーンアイズ」で仕入れています。香りが豊で深い味わいなのに、すっきりしていて何杯でもおかわりしたくなるコーヒーです。

 

そのほか、知り合いの方に作ってもらっているというレモンパウンドケーキやブラウニーもあり、ランチやティータイムにおいしく幸せな時間が「喫茶うずら」で過ごせます。 

 

メイドイン伏見の店づくりを目指して

取材中、カレーやレモンスカッシュ、コーヒーをいただきながらお話を伺っていると、田中さんの想いが心に響いてきました。どうやらキーワードは「地元」「エコ」「人々の輪」のようです。田中さんの深草を思う気持ちから、アイデアがどんどん溢れてきます。

 

「伏見は農作物がよく育ち、多くの人が暮らし、多様な文化があり、独立できるくらいたくさんの資源があります。ほとんどのことが伏見でまかなえるはずですし、まかなっていきたいと思い、 『made in 伏見』 なお店を目指しているんですよ。伏見の飲食店ができるだけ地元のものを使うというのはどうでしょう。そのきっかけ作りとして、近所の飲食店が協力して地元のものを使った食のイベントができたら面白いと思うんです」。

田中さんは愛知県出身で、深草は生まれ育った地と町の雰囲気がよく似ているそうです。

そんなところも深草への地元愛に関係しているかもしれません。

 

「人々の交流の場になれば」と2005年にオープンした「喫茶うずら」の店内には、伏見で色々な活動をされている方々のチラシやパンフレットがテーブルにいっぱい並んでいます。田中さんは最近「ふしみBa」というグループを立ち上げるなど、今後も人々との繋がりが広がっていきそうです。喫茶うずらでは1人でのんびりコーヒーを飲んだり、ランチを食べたり、お友達としゃべったり…言わば使い勝手の良いまちの喫茶店と言えますが、もし誰かとつながって伏見で何かがしたいと思われる方は一度「喫茶うずら」を訪ねてみてはいかがでしょうか。思わぬ発見に出会えるかもしれません。 

 

記者後記

お昼にカレーを、食後にレモンスカッシュ、おやつにコーヒーとレモンのパウンドケーキをいただきました。田中さんが厳選された材料で、丁寧に調理されたお料理なので、安心して、もちろん大変美味しくいただきました。

 

お店の内装も木で統一されていて、ほっこりするアットホームな温かい雰囲気なので、居心地がよく、ついつい長居してしまいました。お店の開店中にお邪魔してお忙しいにもかかわらず、長い時間快くお話いただき、誠にありがとうございました。(山本) 

田中さんがなるべく地元のものを使ったり、環境に配慮した会社や団体からものを買ったりと、消費するときの軸がしっかりされているなあと感じました。私も日ごろの食材や洋服、雑貨など自分の選ぶものに責任を持とうと気が引き締まりました。伏見に、居心地よくて、環境にも優しくおいしいお店があってうれしいです!(亀村)

 

喫茶うずら 

住所:京都市伏見区深草西浦町六丁目31番地

℡075-642-8876

営業時間:午前9時から午後7時まで

定休日 日・祝祭

 

HP:http://www.cafe-uzura.info/

ふしみBa

伏見をテーマにつながるコミュニティ。

Facebook: www.facebook.com/fushimiba/

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