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エコ学区 みんなで作ろう 地域の輪 谷内口友寛さん

 

2014年10月10日、京都市伏見区にある京(みやこ)エコロジーセンターの谷内口友寛(やちぐちともひろ)さんにお話しを伺いました。

 

京エコロジーセンターでは、地球温暖化防止やごみの削減などを目指し、市民と一緒に取り組みを行っています。施設内には、「見る」「触れる」「考える」といった体験型の展示がいくつもあり、大人も子供も楽しめる施設になっています。

 

私たちは、初めてのインタビュー経験でとても緊張していましたが、緊張や不安はすぐに消えていきました。谷内口さんは、とても優しく明るい方で、私たちを迎え入れてくださいました。インタビューの途中で笑い話や雑談もあり、とてもリラックスしてお話を伺うことができました。

 

谷内口さんは、京都市内全域で地域コミュニティのエコ活動をサポートする「エコ学区サポートセンター」のセンター長もされています。

 

エコ学区とは「地域ぐるみでのエコ活動を実践します」と宣言し、環境に優しい取り組みを行う元学区を単位とした地域コミュニティのことです。京都市では、平成27年度までに京都市内全222学区がエコ学区になり、環境に優しいライフスタイルへの転換や温室効果ガスの削減を目指しています。(平成26年11月末現在で、199学区がエコ学区として宣言されています。)

 

 

■活動を始めたきっかけ

京エコロジーセンターで働く前は、フリーランスとして「人と人」「人と自然」の関わりから学ぶ体験学習の場作りを仕事にされていました。学校現場を始め様々なフィールドで、子どもから大人までを対象とした研修を行っていたそうです。その活動仲間が京エコロジーセンターで働いていましたが、辞めるということで代わりに声をかけていただいたのがきっかけだったそうです。

 もともと地球温暖化などの環境問題そのものには、特に興味を持っていなかったそうです。環境に興味がなかった人でも、環境保全に関わる仕事ができるなんて意外だと思いました。

 

 

■エコ学区を現地取材

エコ学区になっている上京区待賢学区の秋祭り「たいけんカーニバル」での環境啓発ブース出展と、中京区朱雀第六学区で開かれたエコ学習会に参加してきました。

 

「たいけんカーニバル」では、手回し発電機やソーラーパネルなどを使い、自分で電気をつくる大変さを実感できるコーナーが作られていました。近くにフランス人学校があるためフランス人の家族連れが多く、国を超えてエコについて学ぶことができ、コミュニケーションがとれていたことがとても印象的でした。また、小学校でのお祭りであったために子どもたちが多く、楽しみながら生活のなかにエコを取り入れることを学べる機会となっていたこともよかったと思いました。

 

朱雀第六学区のエコ学習会では、伏見区在住の石黒さん(京エコロジーセンターの環境ボランティアで環境カウンセラーでもある)が講師となり、電気の節約方法など生活に役立つ知識をわかりやすく紹介していました。また、中京エコまちステーションの河井さんが、ごみの分別についてのお話をされ、参加された方々は、真剣に耳をかたむけエコについて学んでいる様子でした。

 

 エコ学区宣言をしてエコなライフスタイルについて学んだり、考えたりする機会が増えたら、地域の人々のエコに対して意識が変わるチャンスとなるかもしれません。

 

 

■これまでの成果は?

活動の成果というよりも嬉しかったことは、5年前に京エコロジーセンターでインターンシップの受入を担当した大学生が、現在同じ伏見で一緒に仕事をしているということだそうです。他にも、インターンシップを経験した大学生が社会人になって帰ってくると、自分が世話をした子の成長した姿を見て嬉しい気持ちになり、自分自身も頑張ろうという気持ちになることが自分自身の成果だとおっしゃっていました。

 

 

■これからの目標は?

谷内口さんは、自分も周りの人たちも、ハッピーでお得になり、面白くなることがしたいと考えているそうです。地域も活性化して自分自身も成長できることを探せたらもっとよいとも。また最近になってようやく、自分自身の成長と地域のエコな活性化がどちらも進むようなwin winの関係ができつつあると感じるそうで、これからもがんばっていきたいと意気込みを語ってくださいました。

 

 

■取材を終えて

私たちはエコ学区とは何だろう?という疑問を抱いて取材に向かいました。

 

最初は、環境とは地域規模とか大自然のようなとても広い範囲のことだと思っていました。取材を通じて、地域での人と人との関わりなど、とても身近なところにも取り入れることができるのだと気づきました。谷内口さんからは、一人では何もすることができないが、友達や地域の人々に呼びかけをすることで、エコな社会をつくる意識を高めることができるということを学びました。自分ができることするのは当たり前ですが、一人ひとりのエコな取り組みが広まっていかないと成果が表れません。

 

また、谷内口さんのように、「おもしろい」「自分自身も成長できる」と感じながら仕事ができたらいいなと思いました。

 

環境にやさしいライフスタイルを多くの人が考え、自分の生活に取り入れてくためにも、自然環境だけを相手にするのではなく、人と人のつながりを大切にしていくことが重要であり、それが自分たちにできることではないかと考えました。エコ学区の取り組みは、まさにそういう趣旨ではないかと思います。

 

■公開情報

京エコロジーセンター(京都市環境保全活動センター)

 指定管理者: 公益財団法人京都市環境保全活動推進協会

〒612−0031 京都市伏見区深草池ノ内町13 TEL 075-641-0911 

URL  http://www.miyako-eco.jp/

 

FB http://www.facebook.com/miyakoeco

 

 

エコ学区サポートセンター

    受託事業者:公益財団法人京都市環境保全活動推進協会

〒612−0031 京都市伏見区深草池ノ内町13 TEL 075-641-3686

URL http://doyou-kyoto.com/ecogakku/

 

 

(取材:龍谷大学政策学部清水ゼミナール 池内智哉、河原田恭平、杉本遼太、立堀悟)

 

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