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エコな暮らしを実践 磯谷三重子さん

藤森駅から徒歩5分にある京エコロジーセンターは、環境学習や環境保全活動の輪を広げるため、エコな暮らしを実践し伝える環境拠点である。館内にはエコについて学ぶ展示物や体験コーナーがあり、それらの案内をする環境ボランティアが約200名活動している。

環境ボランティアは「エコメイト」として館内案内を中心に活動し、3年経験すると「京エコサポーター」となり、館内案内だけでなくセンター外でエコな活動を行う役割も与えられる。

 

私たちは「京エコサポーター」として活躍されている磯谷三重子さんに、活動内容や環境に対する思いについてお話を伺った。

 

1 おいたち

磯谷さんは、滋賀県出身で伏見区に30年ほど住んでいる。趣味はウォーキングをしながら京都の町並みを見ることや、伏見の美味しい湧き水で作られるお酒を嗜むことだそうだ。5人兄弟で育ち子どもの頃はまだまだ社会全体が豊かではなかったため、磯谷さんにとってエコは当たり前で、無駄遣いをせず、あるものを繰り返し使うようにしていたという。

 

2 京エコロジーセンターの磯谷さん

活動を始めた理由としては、普段から無駄遣いが嫌いで電気や水の無駄をなくし、どのように節約すべきかを多くの人に伝えたかったため、エコな暮らしについて市民に伝えることができるエコメイトになったという。子どもの頃から節約する生活が身についていて、得意であると同時に自分でもできると思ったことも大きかったようだ。 

   

活動を始めてから変わったことは、仲間のボランティアの人たちから影響を受け、水代や電気代など節約に対する意識がさらに強くなったことである。節約を工夫したことで実際に電気代が安くなったそうだ。

 

磯谷さんはエコメイトの活動として館内ガイドをしている。京エコロジーセンターには子どもから大人まで様々な人が訪れ、外国人の来館もある。磯谷さんがエコを伝える上で心掛けていることは、世代に合わせて伝え方を変えることである。一人ひとりの来館者にきちんと伝わるように、子どもたちには視線を合わせて分かりやすい言葉で伝え、大人にはその人の生活背景や経歴を考えながら伝えている。外国人には言葉が通じない場合があるため、絵や図などを用いて体感してもらうようにしているという。

 

エコメイトの活動でやりがいを感じるのは、子どもたちがそれまではできなかったことができるようになり、笑顔で楽しく活動する姿を見る時などである。例えば、手回し発電機で発電する方法がわからず困っている子にやり方と方法を教えた後、自分でできるようになった時などである。また、以前に教えたことを覚えていて、実践してくれた時もうれしく感じるという。

その他、エコロジーセンターの屋上にあるビオトープの活動も行っており、子どもたちと植物や昆虫の観察をしたりビオトープの管理を行い、まちなかの小さな自然づくりを楽しんでいるという。

 

3 日頃のエコな生活

磯谷さんにとってエコ活動とは日常の生活そのものである。そのため特に意識して取り組んでいることはないという。磯谷さんは普段、車を使わないで歩ける範囲はできるだけ歩くように徹底している。無駄遣いをなくすために、なるべく新しいものを購入せず家にあるものを工夫して使ったり、分別してごみを減らすなど、リデュース、リユース、リサイクルを実践している。また、入浴の際にシャワーを使用していないときは止める、靴などを下洗いする時には普段から貯めておいた雨水を活用する、節水家電や省エネ家電をできるだけ購入する、蛍光灯や白熱灯ではなくLEDに変える、部屋に日光を取り入れてできるだけ電気を使わないようにする、といったことなど生活のあらゆる場面でエコ活動が実践されている。

 

4 インタビューを終えて

磯谷さんのお話を聞いて、エコ活動は特別なことではないことに気づいた。磯谷さんの日々の生活のように、もったいないと感じたこと、気づいたことをすぐに実践することでエコ活動が日常となり継続されていく。しかし、無理をする必要はない。磯谷さんは、「エコは無理をして行うものではなく楽しんで行うものである」と言っていた。無理をしてエコ活動を行うと結局は続かなくなり負担となってしまう。無理をせず自分のペースでできることから実践していくことが大切である。そして、実践してみて気づいたことや自分が取り組んでいることを友人や家族、近所に住む人々に共有することでエコな活動が次第に広まり、少しずつ環境への関心が高まり、やがて大きな環境問題を解決していくことにつながっていくのだと思った。

 

(取材:2018年10月5日、龍谷大学政策学部2回生(清水ゼミ)塩谷、樋口、増田)

 

京エコロジーセンター

1997年に地球温暖化防止京都会議(COP3)が開催されたことを記念して、2002年に設立された。ごみ問題や温暖化防止などについて学べる展示コーナーや図書コーナー、屋上ビオトープなどがあり、エコメイトや京エコサポータ―というボランティアが見学者の案内を行っている。

 

住所:京都市伏見区深草池ノ内町13

TEL:075-641-0911

 

開館時間:9:00~21:00(1・2階の展示は17時まで)

休館日:木曜日(祝日の場合は翌平日)、年末年始

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