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食べる人に喜ばれるのがやりがい。三田修さん

 淀に暮らしながら20年近く野菜を育てている三田修(みたおさむ)さんに野菜づくりについてお話を伺いました。

 小さい頃からものづくりが好きだった三田さんは、中学生の頃から野菜や花を育てることの面白さを感じていたそうです。「自給自足の暮らしをしてみたい」との思いもあって、自宅近くに畑を借りて野菜を作り始めた頃は、近所の人たちに収穫した野菜をおすそ分けしていましたが、「いつももらってばかりでは悪いから売って欲しい」と言われることが増えたので野菜を販売するようになりました。今では淀本町商店街の一角と、淀小学校向かいの空き店舗前に無人販売所を設けて、地元の人たちに野菜を提供しています。

 三田さんは年間を通じてたくさんの種類の野菜を育てています。冬には大根、聖護院大根、聖護院かぶら、柚子、白菜など、夏にはトマト、ナス、きゅうり、三度豆、フルーツトマトなどです。その他、小豆や黒豆なども育てています。

 

「減農薬、有機肥料で、きれいな野菜を作るより安全な野菜を作っているよ。

 

 そうして育てると、大根はなんとも言えない奥深い味になるね」と語る三田さんの言葉から、野菜への愛着が伝わります。

 2017年10月、台風接近による雨が多かったため、ほうれん草の葉が黄色くなってしまい、育ちませんでした。種を蒔き直したけれども植える時期がずれてしまったため、冬には間に合わず、春ほうれん草になるでしょう、とのことでした。

 畑作業はこのように天候に左右されるだけでなく、鳥の被害も受けたりするそうです。例えば、ヒヨドリやムクドリが集団で何百羽も来てブロッコリーの軸を残して葉っぱを全部食べてしまうので、芽が出てきた時にネットをしっかり張らなければならないとのことでした。 

 

 三田さんの一日の始まりは早く、4時半頃に起きて直売所に野菜を陳列しに行ってから朝食を取るのが習慣だそうです。「釣りを子どもの頃からしていたから早起きは慣れているし、続いているということは苦にならないということかな」と三田さんはにこやかに笑います。8歳から釣りを始めたので、釣り歴なんと60年。

 

「野菜づくりと釣りは似ているところもあるよ。例えば、水の中の魚の動きを読みながら釣りをするように、野菜もどうすればおいしい野菜ができるのかを常に考えて作っているよ」。

 野菜づくりに関しては、本を読んだり農家さんに作り方を尋ねたりした上で、自分で工夫を重ねています。例えば、干し柿は気温が高い時に干すとカビることがあるので、自分でいくつか試した結果、今では柿に焼酎を霧吹きでつけてカビを防いでいます。

 日ごろは三田さん一人で畑で野菜を作り、イベントに出店する時に、奥さまの十三子(とみこ)さんと一緒に野菜を販売するのだそうです。

 

「イベント当日に間に合うように野菜を育て、袋づめをするなど準備は大変だけれども、人見知りしない性格なので、お客さんとの会話が楽しいよ。何より、野菜を手にして喜んでもらえたり、おいしいと言ってもらったら嬉しい」。

「安全でおいしい野菜を届けたい」と野菜づくりをされる三田さん。畑に入って自然と向き合いながら四季折々の野菜を育てる日々はまさに自然を身近に感じるエコライフ。「野菜作りは大変だけれど、それでも続けるのはやっぱり作るのが好きなんやろね。作って、食べる人に喜ばれて。それが自分の生きがいになってくるのかな。」と三田さんは語ります。 

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