top of page
Let’s go 昆布~未来へ受け継げ昆布の魅力~

 

京阪中書島駅の北口を出て、右手側にある商店街を約2分歩いたところに、今回インタビューさせて頂いた「伏水きたせ昆布老舗」が見えてきます。建物の外に飾っている木彫りの看板がとても特徴的です。店内は、食に関するたくさんの本やユニークな雑貨、カウンターがあり、カフェのようなオシャレな内装となっています。そんなオシャレな昆布屋さんを営む店主の北澤雅彦さんは、笑顔がステキでとても親しみやすい方でした。

 

 

昆布屋になるきっかけ

北澤さんは昆布屋の長男として生まれましたが、学校で学んだデザインの仕事への思いを断ち切れず、一度家を出た後、10年ほど古着屋を営んだり酒蔵に入ったり郵便配達をしたり、と色々な活動をされてきました。しかし、15年ほど前、お店を担っておられた弟さんが病気になったこととお父さんが亡くなったのをきっかけに昆布屋に戻って来ることになりました。そこでお店を継ぐ決心をされたそうです。

 

 

北澤さんの活動

北澤さんは、地元に戻って改めて伏見を見渡してみると、かつての商店街の繁栄と、昆布を取り巻く状況が一変しているのに危機感を感じ、「どうすれば活気を取り戻せるだろうか」と考えて様々な活動を始められました。

その活動の一つに、伏見と昆布に関心と興味を持ってもらおうと、向かいの酒屋さんと一緒に月に一回、昆布と伏見の日本酒を使った料理を作って、地域の人たちなどに食べてもらう活動があります。これは「Standing,Drinking 月一」といって、3年ほど前から行われています。月ごとにメニューと料理人が変わり、月替わりで違った料理を食べることができます。この「月一」がきっかけで、他の地域からも伏見に足を運んでもらえるようになったそうです。

また、他にも北澤さんは昆布のダシの取り方を教える「出汁教室」や「昆布を使った料理の会」「商店街の食べ歩きガイド」などの活動をされています。

 

 

広めよう昆布! 

昆布とエコはどんなつながりがあるのでしょう…?地球温暖化が進み、海水温が高い年が増えることで、昆布の取れる量が激減しています。地球温暖化をふせぐことが、昆布を食べ続けられることにもつながります。また昆布は魚や野菜とは違い、捨てるところが全くなく、隅から隅まで使えるエコな食べ物です。また、昆布は保存食として長く持つので、使うことができます。昆布の食べ方の例として、昆布を酢に漬けて表面を削るとろろ昆布や、醤油でたいた塩昆布などがあります。

さらに、昆布には栄養素として、食物繊維や鉄分、カルシウムなどのミネラルが多く含まれていて、昆布は昔から日本でよく食べられてきました。捨てるところがないことや、栄養素が沢山あることなど、昆布のよさを広めるために北澤さんは日々活動されています。今後は、「今行っている活動の幅をもっと広げていきたい。」とおっしゃっていました。

 

 

広めよう伏水!

伏見は酒どころであることからもわかるように、地下水がとても豊かできれいなため「伏水」とも呼ばれていたそうです。美味しい昆布出汁には柔らかい水が欠かせません。伏見の水は口当たりが柔らかく美味しいので、昆布に向いています。昔は、伏見の水を求めて関東からやってくる人がいたそうです。遠くからやってくる人がいるほど水が良かったそうです。しかし、今では伏見の水がきれいであるということは、昔ほど認知されていません。北澤さんは「“伏見”ではなく“伏水”とすることで、伏見の水をアピールすることやもっと知ってもらうことができたらいいな。」とおっしゃっていました。

 

 

取材後記

今回の北澤さんの話を伺って、私たちは昆布のことを何も知らないことに気づきました。昆布出汁の取り方など昆布について初めて知ったことが多かったです。インタビューをさせて頂いた時に北澤さんのお店の昆布を食べさせていただきました。お店にはちりめん山椒昆布・かつを昆布・佃煮辛子昆布など、たくさんの昆布の種類があり、どれもとてもおいしかったです。普段食べている市販の昆布もおいしいですが、市販の味とは違うおいしさがありました。昆布をご飯の上にのせて食べたいと思い、ちりめん山椒昆布・かつを昆布・佃煮辛子昆布などそれぞれ違う種類の昆布を購入しました。

 

 

取材:西川大夢 西村大輝 長谷井典 俣野有紀

同行:谷亮治

 

「伏見きたせ昆布老舗」

〒612-8228

京都市伏見区南新地4の2

Tel: 075-(601)-1965

  URL: http://www.okobu.com

 

bottom of page